犬用の5万円おせちは少子化と深く結びついている。


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概要 ▶ 来年は戌年(いぬどし)。犬年とは書かないわけだが、そんな犬用の高級おせちが登場。いやぁ5万円ですよ。5万円。みんな大好きセブンイレブンでは人間用おせちはどうなのよ?と調べると、おせち三段重が15,750円。イトーヨーカドーの二段重は21,000円。全然敵いませんな。セブン-イレブン・ジャパン ニュースリリースイトーヨーカドー おせち料理 老舗の味など高級志向のおせち料理の人気が高まる昨今、愛犬用に
来年は戌年(いぬどし)。犬年とは書かないわけだが、そんな犬用の高級おせちが登場。
いやぁ5万円ですよ。5万円。みんな大好きセブンイレブンでは人間用おせちはどうなのよ?と調べると、おせち三段重が15,750円。イトーヨーカドーの二段重は21,000円。全然敵いませんな。

セブン-イレブン・ジャパン ニュースリリース
イトーヨーカドー おせち料理

 老舗の味など高級志向のおせち料理の人気が高まる昨今、愛犬用に5万円のおせちまで登場した。来年は戌(いぬ)年とはいえ、お犬様はそんなに豪華なものを食べる時代なのだろうか。【浜田和子】

 全国的に愛犬用のおせちは90年代から出始めたが、当初はペットフードや干物の詰め合わせ程度だった。最近では百貨店やペットショップで1~2万円前後のおせちも登場している。

 5万円のおせちを売り出すのは、生活デザイン会社「シュウ」=東京都練馬区、小泉秀章会長(65)。グループ会社の高級仕出し割烹料理「日展企画」(同)が製造する。
livedoor ニュース - [おせち料理]お犬様用に5万円 親心くすぐる商品に


でもまぁこういう商品が出てきたということは家族構成の中で犬が非常に大きな位置を占めてきたといえるのではないか。猫ではなく犬がというところもツッコミポイントなのだが、これは比較的小さなペット売り場で見る限り犬の販売ゾーンが大きい(=需要が多いと見るか、販売促進しやすいからと見るか)からとも言えなくもないので、言及は避けておく。

普通の百貨店のおせちが21,000円しかしないのに犬用が50,000円ということは人間があまりいない家庭というか子どもがいない家庭が多く増えてきたということもいえるのではないだろうか。だって犬が50,000円で人間の子どもがそれ以下ってちょっと愛情の傾け方が歪な感じがするでしょう?

ということはやはり最初から子どもがいないとか購入者の他に人間がいない(つまり独り暮らし)という市場が大きくなってきたということが考えられるね。実際最近の出生率もあまり高くはないし(国立社会保障・人口問題研究所によれば1.29人)、グラフを見ればどう見ても減少の方向にしか向かっていない。

出生率(合計特殊出生率)は、低下が始まる前、1971年の2.16から、2004年には4割減の1.29になっています。この数値は長期的に人口を維持できる水準(人口置換水準)の2.07よりかなり低く、人口減少、人口高齢化の促進につながります。
出生数及び合計特殊出生率の推移



「404 Blog Not Found」で「子どもが減って何が悪いか!(赤川 学 著)」の内容に触れられていたので引用(孫引きは良くないのだが)。
著者のスタンスは、子供を生む自由も生まぬ自由も双方保証されるべきで、そしてどちらかの選択をした場合も選択に対するペナルティーを課すべきではない、というものだ。よって目指すべきは、少子化そのものを解決するのではなく、少子化が社会問題化するのを防ぐことをもってよしとする。出生率を上げるのではなく、出生率に依存しない社会体制を確立することが肝要なのだと著者は説いている。

このアプローチ、すなわち「出生率に依存しない社会体制の確立」に私は賛成なのだけど、しかしそれが少子化の根源的な問題を解決するともまた思わない。
404 Blog Not Found:子供が減るのが悪い理由


本書を読まないで書くのは気が引けるが、生まない場合のペナルティというものは日本に今現在あるのだろうか。生んだ場合の優遇措置はあるかとは思うが、ペナルティは明らかに言葉としては罰というかそういうものでしょう。罰金でも取られるのでしょうかね。

確かに「出生率に依存しない社会体制の確立」は重要なんだけど、結局の所、社会体制って言葉ってなんなんだろうな、と思ってしまう。出生率の問題って詰まるところ、金の問題に大きく結びついてしまうわけですよね。年金はわかりやすい例ですけど、労働力の低下による税収の落ち込みで社会保障が減ってしまうという問題があるわけでしょう。そこのところは残念ながら国の財政に合わせて質の低下は仕方ないと割り切るしかないような気がしますけどね。

もちろん国の歳出の見直しを含めて考えていかないとダメですけどね。入ってくるものが少ないのであればそれに合わせた予算にしないと。今の国会の議論やテレビや新聞の論調は何となく今の状態を何とかして維持したいという所からスタートしているからなんかおかしな話になっているような気がする。絶対今の水準を堅持みたいな。借金大国の日本がそうした贅沢を言っている場合じゃないと思うのですがね。

あとiTunes Podcastで聞いている「Japan Now」という番組で「1918年頃の世界の人口は12億人」という話が出ていた。そう考えると人口が減ることに関して敏感になっているけど実際100年くらいで5倍に人口が増えたわけだから、今までがちょっと異常だったのかもしれませんしねぇ。まぁこれは世界全体の話で人口増加は局所的な問題が原因かもしれませんが…。

livedoor ネットラジオ/ねとらじ
鳥インフルエンザの恐怖&駐留費分担額(mp3形式)


犬のおせち料理の話は、少子化と大きく結びついていて、この流れは今後しばらく続くのではないかな。国がマジで緊縮財政を行って社会保障が薄くなってくれば、こうした愛情のかけ方は減ってはいくのだろうけど(=自分たちで精一杯)、当面はトレンドと見ていいと思う。同じ考え方で子どもがしていることをすべてペット(犬)にやらせるサービスだってビジネスとしてはうまくいくかもしれないね。七五三の写真撮影とか(犬の歳の取り方は人間の8倍だから微妙だが)だっていいじゃない。最近は子どもの写真撮影もかなりお金を掛ける人が増えてきているというし。

あと、自分も犬を飼っていて思うのだが、残念ながら犬の寿命は人間よりも短い。そうした儚いところが、犬の高級おせちという「良いものを食べさせたい」という心情を生んでいるのかもしれないね。そういう気持ちは買っていた犬が死んでしまうと何となく分かるよ。



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 犬の食べ物に詳しい研究者たちを紹介してもらい、「ネギ類、チョコレート、ブドウの皮はダメ」「高血圧になりやすい塩分、虫歯や肥満の原因となる糖分は人間よりはるかに薄く」などのアドバイスを受けた。料理長の追川明さん(50)と4年間研究。社員の飼い犬にも協力してもらい、犬の好みを取り合わせた品々を開発した。
livedoor ニュース - [おせち料理]お犬様用に5万円 親心くすぐる商品に


子どもの頃、買っていた犬にビックリマンチョコを食わせていたぜ。ありゃぁ。まずかったのかね、あれは。

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