DTPの勉強会 第21回「はじめての印刷入稿のためのデータ作成入門」にスピーカーとして参加しました


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概要 ▶ DTPの勉強会第21回にスピーカーとして参加してきたのでご報告。PDFデータを印刷データとして使うPDF入稿についてお話ししました。
DTPの勉強会 第21回「はじめての印刷入稿のためのデータ作成入門」にスピーカーとして参加しました

もう2週間以上過ぎてしまいましたが5月21日に東京のDTPの勉強会 第21回にスピーカーとして参加してきました!



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テーマは「はじめての印刷入稿のためのデータ作成入門」

今回のテーマは「はじめての印刷入稿のためのデータ作成入門」ということで、長年のプロ向けの奥深いセッションではなく、これから印刷入稿を始める初心者向けのセッション構成でした。

InDesignやIllustratorなどを使って作成したデータは、印刷されて初めて「製品」となります。

印刷するためにデータは「版に分解」されます。この分解を行うのが製版であり、データを作成する場合は「どのように分解されるのか」を意識してデータを作る必要があります。いくらデータを作り込んでも、印刷できなければ「作り込み」に意味はありません。

ところが最近では、CTPやPDF入稿の普及、コストダウンのための色校(プルーフ)レスなどにより、データ作成者が製版・印刷の現場や工程を目にする機会が少なくなってきています。

そこで今回は「データ作成入門」として、「RIPで何が行なわれているか」「印刷に適した望ましいデータとは?」「印刷用のPDFの作り方」について取り上げます。

【DTPの勉強会 第21回】開催のお知らせ(DTPの勉強会)

このテーマの中で、私は「PDF入稿編」を担当させていただきました。


最初、このテーマでどれだけ人が集まるのかは正直分かりませんでした。

最近の印刷データのセミナーは作るテクニックとか、奥深い話などはそれなりに人気があるのは想像できたのですが、初心者向けとなるとどうなのかな…?と。

ですが、実際に参加者の募集を初めてみると、あっという間に定員の80名は満席に Σ(゜д゜マジカ

その後、会場を変更し、定員を増枠して、最終的には130名にご参加いただきました。ありがとうございました。



DTPの勉強会の会場の様子

ということで今回は、いつもと違い、エッサム神田ホール2号館で行いました。


スピーカーとしての参加は初めてだったのですが、勉強会の開場のちょっと前にしか会場へ入れないのですね。

テックリハなどはそれなりに順調に。セッション担当の森脇さんも私と同じMicrosoftのSurface Proだったから、接続機材も共有できてスムーズでした。(森脇さんは、Surface Pro 3で私はSurface Pro 2)

スクリーンへの接続はD-Sub 15ピンもありましたが、HDMIでの接続もあって、イマドキだなと思ったり。


スピーカー席から。今回のDTPの勉強会のハッシュタグは「#dtpstudy21」でした。

ツイートのまとめはTogetterにて。(まとめてくれた樋口さんに感謝です)



会場はこんな感じ。密集度は高めでしたね。



セッション「PDF入稿編」について

ということで、私のPDF入稿編はこんなスライドからスタート。



スピーカーに選んでもらってから読んだ「セミナー講師の教科書」やオンライン学習サイトの「スクー」の実際の授業構成などを参考に、セッションの対象者とゴールをセッションの最初に提示しました。

ゴールを明確にすることで、聞き手も最終的に何ができるようになるのか、ということを意識しながら聞いて頂けますし、スピーカー自身も話がブレなくて済みます。

今回は、PDF入稿を聞いたことがあるけど、まだ試したことがないという方や、会社でPDF入稿を手順通りにやっているけど意味がよく分かっていないという方を想定し、「編集をされる方・デザイナーがPDF入稿への不安な気持ちを解消してPDF入稿をやってみよう」と思えることがゴールとしました。



スライドの内容自体は会社のブログ内で公開しているのでそちらをご覧ください。



今回の内容はPDF入稿に関するお話でしたが、PDF入稿は、従来のIllustrator・InDesignファイルを入稿する「ネイティブデータ入稿」を置き換えるものではありません。

その時の条件によって、「ネイティブデータ入稿」「PDF入稿」を使い分けていけば、スムーズな印刷が可能になります。もちろん流れとしてシンプルなものは「PDF入稿」には間違いありませんが、データの作り手(編集者・デザイナー)と、受け手(印刷会社)のコンセンサスがない状態で、PDF入稿を導入しても失敗するだけです。主に印刷会社が苦労するだけですね(苦笑)。


尾花さんのセッションであった「出力できる」とは何なのかが大事なところで、お互いのことを知るコミュニケーションをキチンと行い、そのお互いの意図と能力でコンセンサス(合意)が取れることが大事なので、印刷会社が決まっていないのにPDF入稿のファイルはコレだ!とはならないのです。



PDFデータのチェックのお話もしましたが、データのチェックをしてみると思わぬ「エラー」がいくつか発見されることと思います。

そうしたエラーとの遭遇は、事前にトラブル回避ができて良かった!と思ってポジティブに捉えてもらえれば良いと思います。このエラーとの遭遇は数をこなさないと、なかなか出会えなかったり、自分の中でこのエラーは許容範囲だなという部分が定まらないので、どんどんチャレンジしてもらいたいです。


スライドの最後は「やってみよう!」で締めましたが、勉強会で学んだことを「あ~、いい話を聞いた」で終わらせると、確実に忘れますし、身につかないので、最初のゴール設定と併せて「PDF入稿をやってみよう!」という形にしました。



質疑応答の時間は、色々な質問が出て、PDF入稿時代のデータ管理のことやデータ作成のことなど、勤務している会社で普段感じることができないことを感じることができました。懇親会でも結構質問があって、悩まれているのだなぁ…ということや、こういった勉強会のコミュニティが悩みを解消してくれるのだなと思えました。


色々な準備をして頂いたDTPの勉強会スタッフの皆さま、そして参加して頂いた130名の方、ありがとうございました!



関連ページ


なお、今回の勉強会の様子は動画販売も行っていますので、興味を持たれた方はぜひご購入ください!(笑)

※印刷の泉は終了しました。以下のページよりお申し込みください。




セミナーの講師として参考にした本はこちらです。



余談:コミュニケーションが大事ということ

ふと、思い出したけど、4年前のINDD 2012のセッションでスピーカーとして話したときも今回と同じような内容を話していた。「次に伝える」コミュニケーション、指示が大事という話。



もっと前のPAGE 2010でも、印刷会社と制作者側のコミュニケーションが大事と話していた。(スライドは自社ってなっているけど、印刷会社ですね)



データ制作者と印刷会社とのコミュニケーションは本当に大事です。

刷版を出して印刷してしまったら、もう直せませんから…。

面倒と思わず、より良い印刷物を仕上げるために、ぜひお願いします。

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